第二十回

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※途中※ 「お菓子か?悪戯か?」 意地悪な笑みを浮かべてる。けど彼の目はとても哀しい色をしていた。 「そうか……今日は……」 ――思い出してはイケナイ 心の中のざわめきに、今し方浮かんだものが、かき消される。 とてつもない不安に駆られて、私は口をつぐむ。 「お菓子(供物)くらい用意してるか、と思ってたんだけどな」 熱を忘れてしまった声が私の耳をかすめる。それだけで身体が凍て付いてしまいそうだ。 「……違う。言わないで!《あの日》なんて存在しないんだから!」 「わかってるじゃないか」 まるで、今までシャボン玉の中にいたようで、ぱんっと弾ける音がした。 急に辺りがうるさくなった。……否、始めから何も変っていない。車が行き交う通り。静かなはずがない。
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