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「いいですなぁ? 毎日ラブラブな事で、うりうり」
隣の奴の、ひじでこづく攻撃。
正直、かんなりウザい。
「つーか、お前だって彼女いるじゃないか」
この男は、それで有名だ。すっごくモテる男。
何故か、彼女がいつもいる。
この男のどこがいいのかは、正直オレには分からない。
分かんないなぁ……女心。
「ぇ? あぁ、そうか。別れたの、言ってなかったっけか?」
「……あ? そーなのか?」
「そーなのだ」
ちなみに、先程オレが言った「彼女いるだろ?」はどうせいるんだろ? という意味である。
したがって、このモテ男が今現在付き合っているかは知らない。
へぇー。やっぱいたんだ。
てゆーか、別れてたんだ。
「で。これで何人目?」
「んー。五二人かなぁ?」
「どのくらいもった?」
「二ヶ月くらい?」
世界中のモテない男達が聞いたら、今すぐにでも粉塵にしてから核弾頭を撃ち込んでしまいたい気分なんだろうな。
「お前絶対に、いつか誰かに恨まれんぞ?」
「大丈夫だって! オレがそんなキャラに見えるか?」
……まぁ、憎まれるキャラではないんだけどさ。
でも隣の席だと、相手をするのに以上な疲れが襲ってくるのは事実な訳でして。
数々のイジリをそれとなく避け、教室に入り、自分の席へと向かう。
オレのクラスは、真面目で静かと言うよりかは、どちらかと言えばうるさくて賑やかなタイプだ。
今日もまた、賑やかな会話やら、足音やらが響き渡る。
一一だが、一人。
この場に相応しくない。と言えば、聞こえは悪いが。
教科書にノートに問題集を、机の上に綺麗に広げ。
騒がしいこのクラスの中で、今日もたった一人、黙々と勉学に励む奴がいる。
これぞ、高校生。周りから見ると、異端。
彼もまた、オレの友である。
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