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「むしろ、マモルが付き合おうぜ。ぶらり、放課後彼女作りの旅」
「……面白そうだから、テレビ局に企画書として持ち込んだらどうだい?」
「おぉ! それは"あめりかんじょーく"。ってヤツか!?」
多分、ジョークでもなんでもないと思うぞ。ウサ。
ただ受け流したくて、とりあえず言っただけなんだと思うぞ。ウサ。
というツッコミを頭の中に形成し、ウサに放とうとした瞬間。
「おはよ! 三人共っ!」
他愛もない会話の最中、
いつも通り声をかけてきた彼女。
「……なんだ、シズルか?」
「むっ! その言い方は何なのかなぁ?」
"高峰 静流 (たかみね しずる)"。
ウサの後ろの席の、ポニーテールが輝かしい、どこにでもいそうな、普通の女の子だ。
……アスカ以上に、元気な事を除いては、だが。
「よっ、シズル! マモルを、ぶらり、放課後彼女作りの旅にご招待しようとだな……」
「マモルはやらないと思うよ? そーゆー事」
「協力ありがとう。高峰さん」
予断だが……ウサとシズルは、幼稚園の頃からの付き合いだ。
オレが思うに、テンションが高い同士でお似合い。
「そ、そーゆー事って言うなよ! まるでオレがおかしな事をしてるみたいに……」
「ねー、そんな事よりウサぁ?」
「そんな事言うなってば!」
なんと言えばいいのだろうか、彼らの夫婦漫才は、何度見ていても飽きない。
定位置――つまりはウサの後ろに、彼女は座った。
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