とある息子の家族自慢

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   僕の父さんと母さんは英雄だ。そして父さんの昔からの家族で(血の繋がりは無いけれど)、過保護な二人も英雄だ。そんな家族は僕の一番の誇りで、自慢。  十年以上前の僕が産まれる前にあった戦いで、右腕の肘から下を無くしてしまった父さんだけど、それは母さんを守った証らしい。父さんは誇らしげに言ってた。 「腕一本で命が救えたんだ。それも、大事な人の。安いものだよ」  でも、父さんはこう付け加えた。 「だけどな、俺みたいなこんな無茶はしちゃいけない。大事に思ってくれてる人に死ぬ程心配かけるからな」  大変な戦いだったらしい。それでも、戦いの最中、父さんの仲間で亡くなった人は居なかったそうだ。  みんなボロボロになったし、入院もしたし、戦いが終わって数ヶ月は凄かったって言ってた。  右腕を失った父さんは、必要なときは母さんや僕の助けを借りながら過ごしてる。でも僕が学校に行って、母さんが家に居ないような一人の時は過保護な二人の家族の手を借りてるんだって。  
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