underground

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2040年 地上から放射能が消えると、人類は復興という名のドアを開けた。 そしてそれは新たなる戦いの幕開けとなった。 残留放射能の影響でアメリカやロシアそれに中国などの大国はただの広大な荒れ地と変わり果てた。 核はオゾン層にも影響を与え、太陽光線の照射量は増大し、地上に出るのは自殺行為そのものだった。 50年以上前に地球温暖化防止などという運動があったと聞いたが、温暖どころか超熱帯になってしまった。 地表の熱は夜になっても下がらず、人類に残された道は地下での生活だと思われた時.... 世界中を揺るがすニュースが飛び込んだ。 放射能汚染のない楽園の存在が確認された。 それは神の悪戯としか思えなかった。 地下に潜っていた人類はその地を奪い合うようになった。 楽園を手に入れるための争いが始まった.... 「あら....何か目障りなのがいるわね....」 来た.... 「ちょっと....何?その変な服....ただでさえ下品なのにそれ以上恥かいてどうするの?」 沢登由香.... 何でも結構な金持ちの一人娘とかで、いつも高そうな服を着ている嫌な奴。 「ん?何か....酸素が薄くなった?と思ったらあんたか....大きな声出し過ぎ。」 「何ですって!?この触角頭っ!」 「うっさいなー、あっち行けっ!それとも黒い服着てやろうか?」 由香の顔が青ざめて行った。 想像してるな.... 「ご....ゴキ....いやあぁぁぁああっ!」 由香は一目散に逃げて行った。 彼女の虫嫌いは有名だ。 私の髪の毛が虫を連想させるらしく、初めて会った時から物凄い目で私を睨み続けている。 今では犬猿の仲になってしまった。 でも不思議.... 何でこの学園にいるんだろ? しかも私と同じパイロットの卵.... 親の金とコネでこんな監獄に入らなくても済んだはず.... 卒業生の半分以上は命を落とすか廃人になるかの地獄への入り口、捨て駒工場....  
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