手紙

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でも、歯を食いしばって、私達のために外地で戦っている兵隊さんの役に立てるよう、早く一人前の看護婦のならなければならない。 そう思いながら、今日も重い洗濯物を運んでいると声をかけられた。 「奈緒、重そうだね。少し持とうか?」 この浅草寺病院に以前から働いている、太田さんだった。 私が少し考えている間に、太田さんは私から半分の洗濯物を奪い取ると、屋上への階段を登っていく。 後輩をいつも助けてくれる優しい人で、平塚らいてうを尊敬していることを言って憚らない、肝の座ったところがあった。
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