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そんなことを考えていると、同僚の明美から声をかけられた。
「お水汲んできたから洗濯頼むね。私、今日の日直当番の仕事あるからお願いね。」
私が言葉を返す前に、明美は階段を下りて行ってしまった。
日直といっても、軍人勅諭を暗唱するだけなのだ。
「明美はずるいなぁ。血のついた包帯を洗うのが大変なのはわかるけど、あそこまで逃げなくてもいいのに。」
私が太田さんに訴えると、太田さんはニコニコしながら洗濯を手伝ってくれた。
「でも、不思議なことに憎めないのよね。かわいいからかしら?」
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