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エリック達が魔法科学実験室に着くと、既に多くの人が到着していた。
三人がそれぞれの席に着くと、エリックの後ろに座っている赤い制服に身を包み、金髪のリーゼントでいかにも不良というような少年がエリックに話しかけてきた。
「オッス!エリック!今日もおっせぇなぁ。今日はユリンと何か進展はあっ……」
「なんだ?ジュエン?めんどくせぇから話なら後でするって」
少年、ジュエン・ハインスがエリックにそう言うと、エリックはそう返して前を向き、頬杖をついた。
「そんなに冷たくすんなよ。あんまり冷てぇとユリンに嫌われんぞ。まぁ女子どもは逆にクールでいい!って言ってるがそんなことねぇよな?やっぱ俺の方がいいよな?ワイルドで」
「それはない。っていうか自分でそんなこと言うなら髪型変えて整形手術受けてから言え」
「そこまで言うかぁ?ほんの冗談だぜ?」
「おまえが言うと冗談に聞こえねぇんだよ!」
2人がそう会話をしていると、前の扉からデブ、ハゲ、チビの3拍子が揃った中年男の先生が入ってきた。
「は~い。今日の授業なんだけど、チビ学園長とデブ副学園長のせいで高等部の生徒同士のサバイバル戦をする事になったよ~」
もはや存在自体が目に毒な先生が教卓に着くとすぐにそう言った。
「あんたは人のこと言えないだろ!」
「何が生徒同士のサバイバルだよ!生徒同士で争うくらいなら先生達でサバイバル戦でも何でも勝手にしてろ!」
「こんな事して何の意味があるんだよ!」
「理事長に言いつけるぞ!」
所々からヤジが飛んでくる中、ウザい先生はゆっくりと口を開いた。
「因みにこれは理事長が言い出した事なのでそこの所はどうしようもないんだよな~」
「はぁ!?ふざけんな!」
「理事長チェーーンジ!むしろ教職員全部チェーーンジ!」
先生がそう言った直後、再びヤジが飛び交った。
「はぁ~い!静かに!これからハゲコンビからルール説明があるから。静かに聞いているようにな~」
「おめぇら!静かに聞いてろよ!五月蠅くしたらぶん殴んぞ!」
先生の言葉を聞き、ジュエンがみんなにそう言うと、周囲がしんとなった。
「なんでお前があんなこと言うんだ?普段は一番うるさくしてんのに……」
「だってさ、戦いなんて普通の授業より面白いだろ?なっ?」
「まぁ、それもそうだな!はははっ!」
エリックとジュエンはそう言って笑いあった。
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