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「ちゃんとパワーアップしたんだね! カエルラ!」
「そうよー。ちょーっとじゃじゃ馬化しちゃったけどね、格段に威力は上がったよ」
「ふふふ、カエルラ。さっきの言葉、お兄さんは聞き逃さないよ。早くやっつけて一緒にベッドに潜ろうか。キスでもいいよ。キスすると強くなるタチなんだ、俺」
と、ここであたしとカエルラの会話の中にズイと踏み込んできたイシュカさん。相変わらずその手の話は好きなのね。
「アンタ、もっかい死んでみたら?」
冷たいよっ。
「俺は二百歳まで生きる男なんだ!」
「あっそ。どーでもいいけど、初っ端から本気出すから援護よろしく」
言うな否や返答も待たず、ティアマトの先のダッシュに負けず劣らずの威力で地を蹴りつけ猛然と駆け出す彼女。
一瞬本当にカエルラの姿が消えたのかと思ってしまい、驚きの余りポカンと口を大きく広げてしまった。
これはもはや……人の動きじゃない。
慌てて彼女を目で追えば、既に液状と化した銃は再び形状を変えて構築されていて、カエルラの体を包んで防具として役目を果たしていた。
前も似たような感じで防具になっていたけれど、防具になるスピードが前の比ではない。
それに防具として護られている脚、胸、腕部も前と形状が違い、より一層鋭く攻撃的で、野性的でもあり且つ剛堅そうに見えた。
動きが素早過ぎて細部まではわからないけど、あたしはそこで、
「ん?」
変なものを見つけてしまった。
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