第二章 開戦そして狂変

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隊長「俺たちは殺し合いする必要はないんだぜ?」 兵隊「……でもそうはいかないですよ……」 かなり近くで銃声がした。それとともに隊長は血を吐き出した。腹がずきずきする。腹を見ると血が滲んでいる。 隊長「お……まえ、……な、なぜ……だ……?」 目の前がボヤけていく。そして隊長は倒れてしまった。兵隊の手にはうっすらと煙が出ている拳銃。 兵隊「俺だってね、生き残りたいんですよ。この戦争で殺し合う必要がないなんておかしいですよ」 兵隊は冷たい笑みを浮かべてどこかへ行ってしまった。また銃声と悲鳴が聞こえた。 隊長は一人残されてしまった。隊長は立ち上がった。動かないはずの隊長の体が動いている。息はしていない。 隊長はゆらりと兵隊が通ったところを歩き始めた。
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