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繁華街の裏手。
あまり目立たない所に『蛇の目』という店があった。
『蛇の目』―――知る人ぞ知る正確無比な情報屋【三舟】の店。そんな『蛇の目』に本日は、団体客が武装していらっしゃっていた。
「リッゼグーリタスが所有している武器の情報及び、基地の情報が欲しい。金は言い値で構わない」
「嫌ッス」
三舟は考えるそぶりも見せず即答した。まるで『それ以外の応えは無い』とでも言うように。
「……では、史上最悪最強の武器ディスの設計図の情報」
「嫌ッス」
「貴様の仕事は情報を売る事ではなかったのか。情報屋」
二回連続の即答。
それが信じられ無かったのだろう。奴(ヤッコ)さんはみるみる赤くなっていった。顔をくしゃくしゃにして怒るその姿に、三舟は全く動じず冷静に応えた。
「オイラは情報屋の基本中の基本"早く正確に"をモットーととしてるッス。既にアクラリンズの皆さんが、欲しがるような情報は仕入れているッスよ」
「ならば早くそれを我等に」
「早まるなッス。オイラはそこら辺に居る三流とは違って仕事を選ぶんッス。あんた等にそれらの情報を売ったら、巻き込まれてすぐオイラは"おだぶつ"ッス。それだけは嫌ッス」
「貴様ぁああ」
怒りのあまり銃を構える奴さん。
けれど、三舟は動じ無かった。
「撃っても無駄ッス。これホログラムッスから」
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