その男情報屋につき

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――良いところで、壊されてしたまったッスか………。でもま、足止め出来ただけでも良しとしますか。 三舟の前のパソコンには大きく、『作業を完了しました』の文字。 「チッ。お前らパソコンの履歴や情報を全部バックアップ,コピーしろ!!」 イヤホン越しに聞こえる啄さんの声。ホログラムを壊されたとしても、事前に仕込んで置いた監視カメラや、盗聴器はまだ健在だ。 ――おっ、意外と回転が速いッスね。…………でもまっ、無駄ッスよ。 「啄さん無理です!!!データが既にウィルスによって、手の施しようがありません!!!」 焦る声。 遅いのだ。判断が。 『蛇の目』のパソコンには、つい先程までデータはしっかりとあった。だが、啄さんとの会話中全部こちらにコピーが終了したのだ。お土産つきで。 ドンッ 不意に、鼓膜を痛めそうになるほどの、音波がイヤホンから伝わった。どうやら盗聴器の存在に気が付いていたようだ。 だが、監視カメラまでは分かっていないのか、啄さんは盗聴器が仕込んである音楽機器に向かって『死ね!!』と怒鳴っていた。 「てめぇ!!!何した!!!」 ――別に、あんたの持ち物っていう訳じゃ無いんですし、怒らなくっても良いじゃないッスか。それに許可無く情報を見ようなんて、プライバシーの侵害ッスよ。………人に言えた事じゃないッスか。 「クソッ!!!てめぇ首を洗って待ってろ!!!地の果てまで追ってやる!!!命は無いと思え!!!!」 ――酷いッスね。 三舟には啄さんがわざわざアクラリンズに入ったかも、何故怒るかも。理由が分からない事もなかった。けれど、啄さんには情報を渡したくなかった。 別にリッゼグリータスに復讐したいのなら、リッゼグリータスに入って内から機関を壊しても、二つの組織を止めようとする『反二組武力組織』に入っても良かったのだ。 それをしなかったのは 多分自分を責めているのと……
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