20分まで

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20分まで

寂しくなってきた。 いや、つまらなくなってきた。 携帯電話を鞄から取り出す。 途中、先方から渡された土地開発の関係書類に目を通す。 この原風景の残る山野を切り開き避暑地のリゾート開発をしようとしたのだ。 地元の議員や建設会社の代表者と入念な打ち合わせをし合意に至った。 土地開発と地域振興の両点から見て住民も大歓迎という話しだった。 彼も満足いく契約になった。 ふぅ。 安堵かな?ため息一つ。 携帯電話に目を通した。 着信は無い、履歴を意味なく2、3周した。 アリハラナツヒ、アリハラナツヒ、アリハラナツヒ 受信、送信関係無く通話履歴が繰り返された。 喧嘩したフィアンセの名前だった。 つまらない事で喧嘩して、今回の件で仕事が忙しくなったのでそれっきりになっていた。 雨音が強くなる。 一層寂しさが込み上げた。 携帯電話は待ち受け画面にはアナログに【4時19分】を表示していた。
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