第一章*桜の蛇、狛犬の覚醒

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「―――ねぇ、えと、朱夏」 「何だ、主」 「ボクたち、状況を飲み込めなくて、君たちのことも、全然わからないんだ」 だから、と一度言葉を切り、まっすぐに蒼紅の少年少女を見た。 「君たちのこと、教えてくれない、かな」 柔らかな笑みに、彼らもつられて微笑み、ゆっくりと頷いた。 彼らの笑顔に笑みを深めながら、夢留由は、幼い頃に聞いた、父の言葉を思い出していた。 ―――これはね、とても、とても悲しい、妖精だった存在、なんだよ .
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