2人が本棚に入れています
本棚に追加
「―――ねぇ、えと、朱夏」
「何だ、主」
「ボクたち、状況を飲み込めなくて、君たちのことも、全然わからないんだ」
だから、と一度言葉を切り、まっすぐに蒼紅の少年少女を見た。
「君たちのこと、教えてくれない、かな」
柔らかな笑みに、彼らもつられて微笑み、ゆっくりと頷いた。
彼らの笑顔に笑みを深めながら、夢留由は、幼い頃に聞いた、父の言葉を思い出していた。
―――これはね、とても、とても悲しい、妖精だった存在、なんだよ
.
最初のコメントを投稿しよう!