第二章*ホントウノトモダチ

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蛇桜との一戦後、夢留由たちは空留由たちの部屋に来ていた。 獣耳の彼らを誰かに見られないかと不安だったが。 『我らは徒人には視えぬ。姿を消すこともできる故、心配は無用だ』 とのこと。 故に無事に移動し、椅子やベッドに腰掛ける。 さて、とベッドに腰掛けた羅央がまっすぐに朱夏と蒼夏を見据えた。 「まず、お前等は何者なんだ?」 「我らは、人から双犬神と呼ばれるもの」 「双犬神って、羅央も一度くらい聞いたこと、あるよな」 聞き覚えがありすぎる単語に、夢留由は目を見開いた。 空留由が、自分達の解釈を混ぜ込んだ説明をする。 ―――双犬神 最高神・天照大御神に付き従い、妖の軍勢と戦った双子の戌神。 現在、全国の神社の門を護っている『狛犬』は、彼等だと言い伝えられている。 夢留由・空留由の家―――双林寺家が代々神主を務めてきた双狛(ふたこま)神社は、双犬神を御神体として祭っている。 また本家では、数百年に一度彼の神の加護を受けた子が生まれるとされていた。 「―――それが、ボクとくる…?」 「そうだ」 夢留由の問いに答えたのは、弟でなく朱夏だ。 (ちゃっかり夢留由の隣で)腕を組み、紅い瞳を空留由に向ける。
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