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「おっそーーーーい!」
勢いよく開けられたドアと同時に入室した声は、遅れて静寂も連れてきた。
元気なやつだなぁ。
と呑気に思った。
声の主は女子生徒。上靴の色から同学年と判断。
長いポニーテールを振りながら、キョロキョロと何かを探している。そして、俺を見て動きをとめた。
そのまま俺の方に寄ってくる。
…って俺!?
「ターゲット捕捉!直ちに帰還する」
携帯に話しかける。「ラジャー」と相手がいうのが聞き取れた。
元気娘は呆然としている俺の腕をつかんで、引っ張る。
「みんな待ってるから、早く早く!」
みんな待ってる?
今の状況で浮かぶものは一つしかない。
……あの手紙の事か。
「お前が書いたのか、この手紙」
半ば引っ張られながらも、片手で例の手紙をヒラヒラさせる。
「そだよー」
と元気娘がさも嬉しそうに頷いた。
「何でこんな事を」
「来ればわかるって」
連れて来られたのは、案の定屋上。
眩い太陽に迎えられて、俺は目を細めた。
「みんな、やっくん連れてきたよ!」
そのあだ名に花丸はつけたくない。
みんな、の方を見ると、敷物を引いて弁当を食べてるグループがいた。
その中に、下半身少女もいた。
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