プロローグ

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やられた。 俺は心の中で毒づいた。 それは俺が 「ミニトマト七割引き」 に群がる獰猛な獣(正式名称:ヒト科オバチャン)を押しのけ、ミニトマトのパックを二つ手に入れた時だった。 反対側の肉コーナーから 「今からタイムサービス!ステーキ用の肉、半額!」 と聞こえてきたのである。 長年培ったタイムサービス攻略術を舐めるな。 とたかを括ってた俺は完全に油断していた。 デパート側の狙いはこうだ。 ・タイムサービスを使い、料理の幅がないミニトマトに人を集中させる。 ・人がそっちに固まってる間に高級肉をタイムサービスにだす。 ・売れすぎても商売にならないから、半分売れれば良好。シメシメ。 ちくしょう。 しかし、いくら毒づいてもこの場からは動けない。 オバチャンの壁はベルリンより固いのだった。
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