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ほうほうの体で脱出した頃には、すでに肉は元の値段に戻っていた。
仕方ないので、戦利品のミニトマト含む具材をレジに持ってく事にしよう。
オバチャンウォールを背に向けて歩き出そうとした時、耳に誰かの声が入ってきた。
「うきゅ~」
目を回してオバチャンウォールの下敷きになっている少女(下半身のみ)がいた。
……。
しばらく助けるかどうか考えた。
その間、下半身少女はジタバタともがいている。
結局、助ける事にした。
このままでは、多分持っているであろうミニトマトが潰れてしまうかもしれないからだ。
足を引っ張って、少女を助ける。
というか、見える。
何がとは言わんが。
引き抜かれた少女は、まぁ有り体にいえば可愛かった。
セミロングの短いツインテール。
歳は近そうだが、全体的にあどけない印象を受ける。
「あ、あの!
ありがとうございましたっ」
少女に礼をいわれた。
その手には潰れたミニトマトのパックが。
「気にするな。あと、これ、やるよ」
俺はミニトマトを一パック少女にあげた。
少女はキョトンとしているので、俺は立ち上がりレジに向かう。
少女が何か言ったので、背中を向けたまま手をふった。
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