第二章

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既に日が落ちた時刻。俺達は焚き火を囲んで食事をしていた。 ガツガツと、本当にそうとしか表せないほどの勢いでそいつは食事を続けた。食べているのは俺の部隊の食料だ。本来三日の滞在を予定していたにも関らず一日目で部隊が壊滅したので俺だけで処理するには山のような量である。それが二人に増えたところで全てが食い尽くされることはないだろう。 「おいしいね、これ!久しぶりにまともなご飯にありつけたよ!」 そう思ったのだが、そいつの食べっぷりに少し不安になってきた。それほどの勢いなのである。 「どれくらい食ってなかったんだ?」 「うーん、一週間くらいかな。勿論水だとかトカゲだとかは食べてたけどね」 トカゲという単語は聞かなかったことにしよう。うん、そうしよう。 だが、俺よりも若い、いや、幼いといってもいいこいつがそんな過酷な生活を強いられているには何かわけがあるのだろう。なんとなく予想はついてはいるが、これからのことを考えて知っておく必要がある。 「お前、フリーの討伐屋か?」 「うんそうだよ」
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