639人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
魔物、という存在は歴史の最古からささやかれていた。
醜悪な容姿、学術的に一体どの生物から進化なり派生するなりしたのか未だ不明であるが、そんな些細ことは問題にならないほどの生物だった。
彼らは、究極の肉食である。
肉が付いたものは何でも食らう。昆虫、魚、牛などの家畜も難なく食料にする。
そしてそれは人間ですらも例外ではない。
一般人が少数で魔物に出会って生きて帰ってきた事例は少ない。少ないというよりは皆無に近い。
そんな存在を狩り、市民を護るために戦う機関。魔物対策局戦闘班。そこに俺は勤務していた。
本来ならフリーの討伐屋がやる仕事の中で、少数で対処できない事例を組織を使って解決するのが仕事である。
俺が入ったのは二年前。魔法の腕を買われて入社した。今はまだ下っ端だがこれから経験をつんで階段を上る。
はず、だった。
最初のコメントを投稿しよう!