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東方支部戦闘二課が今回配属さえたのは、とある廃墟だった。
十年前に魔物の群れに襲われて壊滅した町。復興の計画も出ずにそのまま潰れてしまった町に、とある強力な魔物が住み着いた。
フリーの討伐屋が複数殺された強力な魔物。それを討伐するべく俺たちは廃墟に来た。
簡単な、仕事だった。
強力とは言っても情報では今まで相手をしてきた個体と大差はない。集団でかかれば難なく倒せる位の強さだった。
けれど、それは誤った情報だった。
二分間、そんな時間しか稼げなかった。
二十人の熟練の魔法部隊。それが経った二分で壊滅に追い込まれた。唯一残った俺は単純に運が良かった。腹の具合が悪かったから一番後ろに居たのだ。
だが、そんな幸運もあまり意味を成さないだろう。既に戦力は無いに等しい。そんな状態で。この魔物の群れを相手にできるか。
答えは否である。
「やっぱり、あの腹痛は来るなっていう神様の言葉だったんだな」
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