第一章

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頭蓋を粉砕され、鮮血を飛び散らせた。 そして力なく地面に倒れ、息絶える。 そんな魔物の姿を、俺は眼前で見ていた。 「……は?」 俺は間抜けな声しか出せなかった。それほど事態は急展開だった。 爆散した魔物の頭部。その返り血を全身に浴びながら、俺はふと振り返った。とりとめて理由があったわけではない。ただなんとなく後ろを見ただけだった。 そこに居たのは、幼い顔だった。 男か女かは分からない。中性的な顔立ちのそいつは微笑みながら魔物を見ていた。 「危ないところだったねお兄さん」 そいつは死体の山の中心にいるにも関らず悲痛な表情も見せず、むしろ、楽しそうに言った。声を聞いても性別は分からなかった。 「ちょっと下がっていてねお兄さん。少しだけ時間がかかるから」 そう言って、そいつは俺の前に出た。その段階になってようやくそいつの全貌を見ることができた。
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