第一章

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そいつが持っていたのは、二丁の拳銃。大型で大口径、小柄のそいつが持つには不釣合いな得物だった。だがそれ以上に不釣合いだったのは、後ろに背負っている物。 ロングバレルのライフル。しゃがんだら地面に着いてしまうのではないのかと思うくらい長い銃身。 「ほいじゃま、お仕事といきますか」 そう言って、地面を蹴った。 そいつが動いたのを合図にして魔物も動いた。 強靭な脚力を使って跳躍する。常人には反応すら難しい速度で四方八方に散った。 まずは自分の優位な場所を確保する。そして目標を囲み逃げ道を塞ぐ。これで一体や二体がやられても取り逃がすことはない。魔物の集団がよくやる戦法だ。これによって人間の側は一度に複数の魔物を相手にしなければならない。 囲まれた。そう感じた時。そいつが拳銃を構え引き金を引いた。 瞬間、二体の魔物の頭が吹き飛ぶ。これでやられたのは合計三体。そろそろ魔物のほうも本気になってきた。 残った魔物が同時に襲い掛かった。だが魔物が到着した時、そいつは既にその場から離脱していた。
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