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東方支部戦闘二課でさえも歯が立たなかった魔物の群れ。それを相手に互角以上に戦える戦力を個人が所有しているのだ。
一体何故、そしてどこで。
そんな疑問が俺の脳裏を支配したとき、事態は動いた。気がつくと既に魔物は最後の一体で、そいつはその魔物に銃口を向けた。そして何の躊躇いも迷いもなく引き金を引く。だが。
カチッと、虚しい音が周囲に響いた。
弾切れ。確かにあれだけパカパカ打っていればいつかは来るだろうと思っていたが、それがこのタイミングで来るとは運が悪い。そいつは急いでもう片方の銃を向け引き金を引くが、どうやらそっちも弾切れらしい。
魔物は攻撃が来ないことを察したのか、一目散に逃げていった。自身の命がかかっていることに加え元々足が速いこともあってどんどん距離が離れていく。
しかし、これだけの戦果を挙げた今、一体を逃したところで大した問題ではない。十二分だ。倒したの俺じゃないけど。
だが、どうやら目の前のガンマンはそうは思わなかったらしい。
「逃がさないよ」
自身の気持ちを言葉にし、行動に移った。
持っていた二丁の拳銃をホルスターにしまい、背中に手をかける。取り出したのはずっと背負っていたロングバレルのライフル。
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