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僕の名前は、ラインハルト=ヴィッツ。十七歳。羊飼いの息子。
先週まで、隣り村の農園で働いていた。父が心臓を悪くして、寝込んでしまったので、帰って来たのだ。
「良い天気だなぁ……さあ、昼飯にするかな」
僕は、伸びをして空を見上げた。
父の代りに、羊の放牧に来てる。前は、犬も居たんだけど、数頭の羊と一緒に市場で売ってしまった。
そのお金は、父が医者に掛かったり、薬代に使った。だから、残っているのは小さな家と畑、残った三匹の羊だけ――――。
「お兄ちゃん!大変よ!お父さんが発作で!」
妹のフリデリケが、血相を変えて走って来た。
「お父さんは、大丈夫なの?医者は、なんて!」
「もう、無理だって。お兄ちゃん、どうしよう」
僕達は、急いで家に帰った。こんなに早く、母が待つ天国に召されるなんて、思わなかった。
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