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父は、夜更けに、少しの間だけ、目を覚ました。
「ラインハルト……フリデリケ。俺は、もうすぐ、死ぬ。お前達に、残す物は、ほとんどないが……家と羊を二人で、仲良く分けるんだ」
「お父さん、分かったよ!僕達は、ちゃんと言いつけを守るからね」
「お父さん。私とお兄ちゃん、仲良く話し合って決めるから、安心して」
父は、そのまま、眠ると、夜明け前に静かに、息を引き取った。
もうすぐ、秋が訪れる季節のことだった――――。
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