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「…………」
携帯の液晶画面に並んだ言葉の羅列を、ヒビキは眺めていた。
ヒビキはあるサイトで小説を趣味として投稿していた。
そして、この文章もヒビキが作った詩。
ただ、ヒビキはこの文章を投稿せずに、全て削除して携帯を閉じた。
「こんなん、載せられないよなぁ……」
部屋の一角に置かれたベッドに横たわり、小さく息を吐き出す。
現在独り暮らしのヒビキの部屋は全体的に青色に統一されていて、落ち着いた空間になっている。
ただ、部屋のあちこちには服や教科書が散乱していて、まさしく男の子の部屋といった感じだ。
「『あなた』って誰なんだろうなぁ……」
ぽつりと呟き、天井を意味も無く見つめる。
見つめた先にぶら下がる電球の光が眩しかったので、手を翳して影を作った。
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