546人が本棚に入れています
本棚に追加
/306ページ
僕の中の何かが、彼女の言葉によって変わっていく気がした。
「いえ、私もすいませんでした。失礼なことを言ってしまって……この頃、目にしたくもないことが山のようにあったので……」
彼女の声のトーンが一気に下がっていくのが、手に取るように分かった。
何があったんですか？ と、彼女に尋ねようとしたけれど、詮索するのはよくないと思ったので、僕は言い留まった。
しかし、奥歯に何か挟まったかのように、何だか違和感がある。
でも、僕が彼女の立場だったら、あまり聞かれたくないな……
最初のコメントを投稿しよう！