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(るあっきぃ!!仕事しないで前金だけ貰えたぜ!)
訂正。
さすがに勇者にビックリである。
兵士に背を向けてガッツポーズを決める勇者。
これ勇者?ホントに勇者?
「それで魔王は誰が殺したの?」
(口止めして俺の手柄にするか)
あわよくば自分の手柄にして報酬も横領しようという勇者どころか人間的に最低な勇者だった。
「そ、それが…」
その問いに口ごもり、俯く兵士達。
どこか気まずそうに視線を再び勇者に戻して、20人の兵士が道を開けた。
「おいおいマジかよ。倒せなかったの?もしかして、今から俺に戦わせようとしたの?」
その様子を見て耳の穴に小指を入れながら気だるそうに眉をひそめる。
「いえ、そうではなく、殺していないんです」
「んだ、それ?どゆこと?」
疑問。追加で困惑。
が、兵士達に囲まれた“ソレ"を見て、彼は事態を把握した。
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