フジノヤマイ

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 彼女は、僕を好きだといった。  僕は、病気だけれども、彼女が好きだった。  彼女の傍にいれば、僕は、病も、身体の醜さも、すべてなくして、ただの。  ただの恋する男にすぎなかった。  彼女は、  「ずっと一緒にいるよ」  と言った。  僕も、ずっと一緒にいたいと思った。  僕も、彼女を好きだった。  彼女は、陽の光に似ていた。  柔らかくて暖かくていつも僕を見ていた。  僕をいつも抱き締めてくれた。  
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