フジノヤマイ

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 彼女は少女を連れてきた。  僕にはその意味がわからなかった。  ただ、連れてこられた少女と、時を過ごした。  彼女は二度と僕の前に現れなかった。  二番目の彼女は、彼女によく似ていた。  大きな目だとか、真っ直ぐな黒髪だとか。  よく似ていたけれど、彼女より闊達で、子供っぽかった。  僕は、二番目の彼女のことも好きになった。  何よりもその闊達さが好ましかった。            
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