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「雷人、バイトしないか?」
黒い法衣の男は唐突に言った。
「バイトぉ?」
いきなり言われ驚いたのか雷人はオウム返しに聞き返した。
「マナの子を捕えればそれなりの報酬を出そう」
そう言っている黒い法衣の男の口元はニヤリと笑っている。
「マナの子なんて物騒な奴なんで捕まえるのさ?」
頭をポリポリかきながら雷人は嫌そうに言う。
「……マナの子の力で人類を操るのだ。
マナを自由に操られたら生きていくには操っている奴に従うしかない。
つまり、自由に人を使う事ができるわけだ」
黒い法衣の男は説明臭く言うと葉巻の火を消した。
「ふむ。
なんのメリットがあるかと思いきや……。
面白いじゃないか。
協力しよう」
ニヤッと笑い、雷人は承諾した。
「雷人様が力になってくれるとは!
ありがたい!」
嬉しさのあまり笑っている魚人は気持ちの悪さが増している。
「暇潰しにちょうどいいだけ。
それに親にも捨てられた居場所もなかった俺を助けてくれた礼もしなきゃいけないしな」
雷人はうんうんと頷いた。
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