~気まぐれお嬢様~

3/4
前へ
/173ページ
次へ
「お父様! お父様!」 玲菜は父をよびながら父の書斎へと入った。 「……なんだい、玲菜」 父は玲菜のただならぬ様子に唖然としている。 「お父様、剣闘士大会やりましょう!」 単刀直入に玲菜は言う。 「剣闘士大会?」 父はオウム返しに聞く。 「今、この星の人達は平和ボケしてると思うの。 万が一……。 万が一よ、この星が危機に晒された時どうする?」 目を爛々とさせ玲菜はにんまりと笑った。 「……それで剣闘士ってわけか」 父は漸く玲菜の言っている意味を理解した。 「そういう事よ!」 更に玲菜は興奮した。 「(世の中を知らずにこの子は育ってしまった。 世の中を知るためにもお世話係や護兵を雇うべきなのか……)」 父は険しい顔をした。 世間知らずのお嬢様の為に何人もの護兵やお世話係を雇ったがみな三ヶ月以内に辞めていった。 理由は玲菜の態度や言動にあることを父は知っていた。 「……黙ってないでなんとか言ってよ!」 しびれを切らし玲菜は強い口調で父に言う。 「(……これはいい機会かもしれない。) わかった玲菜、大会を開こう」 そう言って父は玲菜の肩をぽんと叩いた。 「やったぁ!」 玲菜は願いが叶い歓喜をあげた。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加