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〈不思議な少女×お嬢様〉
「もう、誰も信じない。
信じても裏切られるだけ」
綺麗な服を纏ったお嬢様は憂鬱そうに空を眺めていた。
「そんな悲しい事、言わないで……」
お嬢様の目の前にふわりと不思議な少女が舞い降りた。
「私は箱入り娘。
世間知らずな馬鹿な女。
私を必要とする人は誰もいないの」
お嬢様は少女に背を向けた。
「この星が……。
この星があなたを必要としている……」
少女はお嬢様の前にまわりこんだ。
「星が私を?」
唐突に言われ驚いたお嬢様は顔をあげた。
「そう……。
だから、勇者を見つけてこの星を救って……。
その為にあたしも力をかすわ」
少女はお嬢様へと手をさしのべた。
「……何おかしな事言ってるの?
そもそもこんな平和な時代に勇者なんておかしいわ!」
少女の手を振り払いお嬢様は声をあげた。
「星が……泣いてる。
涙を流している」
そう言うと少女は涙を流した。
そして……。
光の中へと消えていった。
「ちょ、待ちなさいよ!」
お嬢様が叫んだ時には既に少女の姿はなかった。
そして、お嬢様は意識を失った。
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