~プロローグ~

8/12
前へ
/173ページ
次へ
〈不思議な少女×お嬢様〉 「もう、誰も信じない。 信じても裏切られるだけ」 綺麗な服を纏ったお嬢様は憂鬱そうに空を眺めていた。 「そんな悲しい事、言わないで……」 お嬢様の目の前にふわりと不思議な少女が舞い降りた。 「私は箱入り娘。 世間知らずな馬鹿な女。 私を必要とする人は誰もいないの」 お嬢様は少女に背を向けた。 「この星が……。 この星があなたを必要としている……」 少女はお嬢様の前にまわりこんだ。 「星が私を?」 唐突に言われ驚いたお嬢様は顔をあげた。 「そう……。 だから、勇者を見つけてこの星を救って……。 その為にあたしも力をかすわ」 少女はお嬢様へと手をさしのべた。 「……何おかしな事言ってるの? そもそもこんな平和な時代に勇者なんておかしいわ!」 少女の手を振り払いお嬢様は声をあげた。 「星が……泣いてる。 涙を流している」 そう言うと少女は涙を流した。 そして……。 光の中へと消えていった。 「ちょ、待ちなさいよ!」 お嬢様が叫んだ時には既に少女の姿はなかった。 そして、お嬢様は意識を失った。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加