252人が本棚に入れています
本棚に追加
『雄一を絶対振り向かせてやるっ!』
今は片想いらしいけど、ひそかに張り切ってるから俺は心から応援してる。
て言っても、ホントは両想いなんだけどね。
知ってるのは俺一人。
中丸に口止めされてっから、今は知らんぷり。
まぁ、二人がなんだかんだでくっつくのもきっと、時間の問題だろーって俺は思ってんだけど。
俺は、同性だからどーとか、男同士だからどーとか…
正直、全然気になんねぇ質。
だってしょーがねぇじゃん。好きなもんは好きなんだし。周りになんて言われようが、仕方ねぇって思う。
現に、俺の想い人も…
一番近くにいる、親友の亀だしね。
だだ、アイツらと俺が違うのは…俺にはその勇気がないって事。
想いを伝えて、嫌われるのが怖い。
亀が離れていってしまうのが…
ホント、怖ぇんだ。
だから俺は、亀の側に居れるだけでいい。
俺に笑顔を向けてくれる…それだけでいい。
『なんだかんだ言っても…
俺が一番ヘタレなのかも』
そう呟いて溜め息をつく。
『おっ…赤西、独り言?』
『ハハッ…そんなんじゃねーよ。
じゃ、明日な』
『おつかれぇ』
俺は、笑顔で手を挙げるクラスメイトに別れを告げると、バッグを抱え、一人教室を後にした-。
最初のコメントを投稿しよう!