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 『雄一を絶対振り向かせてやるっ!』 今は片想いらしいけど、ひそかに張り切ってるから俺は心から応援してる。 て言っても、ホントは両想いなんだけどね。 知ってるのは俺一人。 中丸に口止めされてっから、今は知らんぷり。 まぁ、二人がなんだかんだでくっつくのもきっと、時間の問題だろーって俺は思ってんだけど。 俺は、同性だからどーとか、男同士だからどーとか… 正直、全然気になんねぇ質。 だってしょーがねぇじゃん。好きなもんは好きなんだし。周りになんて言われようが、仕方ねぇって思う。 現に、俺の想い人も… 一番近くにいる、親友の亀だしね。 だだ、アイツらと俺が違うのは…俺にはその勇気がないって事。 想いを伝えて、嫌われるのが怖い。 亀が離れていってしまうのが… ホント、怖ぇんだ。 だから俺は、亀の側に居れるだけでいい。 俺に笑顔を向けてくれる…それだけでいい。  『なんだかんだ言っても…   俺が一番ヘタレなのかも』 そう呟いて溜め息をつく。  『おっ…赤西、独り言?』  『ハハッ…そんなんじゃねーよ。   じゃ、明日な』  『おつかれぇ』 俺は、笑顔で手を挙げるクラスメイトに別れを告げると、バッグを抱え、一人教室を後にした-。  
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