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春。
学生にとってそれは出会いと別れの季節。
春。
暖かい日差しの中、桜が美しく咲き誇る季節。
そんな素晴らしい季節の中、日本の学校は入学式をむかえる。
神谷学園もまた入学式をむかえていた。
「ふうぁ~」
入学式は体育館で行われている。
春の陽気のせいか体育館の中は暖かく心地がよい。
こんな日は眠たくなる。
そんなことを思いデカいあくびをしたこのメガネの少年。
オタクな外見の彼こそがこの物語の主人公、風見大樹だ。
体育館いっぱいに敷き詰められたパイプイスに座りながらウトウトする大樹。
すると後ろからそんな大樹の右肩をポンと叩く生徒が。
「おい、寝るなよ。新入生代表の挨拶は唯菜ちゃんなんだろ」
イケメンの顔が大樹の隣に伸びてくる。
このイケメンの名は那波要、大樹と同じ魔法使いの彼は【灼炎の子龍】という二つ名で呼ばれていたかなりの腕の持ち主なのだ。
「唯菜ちゃん本当に可愛いよな」
「当たり前だ。俺の妹なんだからな」
シスコンな発言をかました大樹に要は苦笑いをする。
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