プロローグ~入学式~

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「確かに唯菜さんは可愛いです……しかし、カザミンの妹だから可愛いという定理は成り立たないと思います…………以上」 要の右隣からテンションの低い声が返ってきた。 天才人形使い、無表情美少女の静山紗枝だ。 「紗枝もなんか眠そうだね」 「わかりますか……」 いや、いつもと変わらないような気がすると要は思う。 しかし大樹と紗枝の仲だからこそわかる微妙な変化なのだ。 「てか、昨日はカザミンのせいで寝れなかったんですよ……」 「いや~申し訳ない」 この会話にいやらしさが微妙に含まれているのは気のせいであろうか。 「風見君と紗枝にどんな夜があったんだ~!」 興味津々にかぶりついてきたのは元気がトレードマークの美少女。 そして大樹と寮の管理人の桑島伊吹とは【スイーツ桃園の誓い】を交わした義兄弟。 美原七瀬だ。 「美原さんは可愛いから教えちゃう!……実は俺と紗枝は昨夜、愛を確かめ合うようにお互いの体を――ぐおっ!」 大樹の後頭部に紗枝は自分の上履きでおもいきり殴った。 「カザミン……ぶちぬきますよ」 「どこを!?」 紗枝の殺意のこもった視線に圧倒される大樹。
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