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駐車場に着いて赤西君の車に乗り込むと、すぐに発車した。
廊下でもそうだったけど会話が全くない。
いつもだったらポツポツとでも話をするのに……。
結局どっちの家に行くとかの話もせず気まずい雰囲気のまま、赤西君の家へと着いたのだった。
マンションに着けばすぐに部屋にむかい、赤西君は焦るように鍵を開けた。
何でそんなに急いでるんだろう?何か用事でもあったのかな?
そんなことを考えながら、ボーっとしていると、いきなり部屋の中へと引っ張られた。
「ッ!!」
気がつけば赤西君に抱きしめられていて、肩に顔を埋められていた。
部屋に入ってすぐの事だから、電気もついてなく周りは真っ暗。
だからだろうか。
赤西君の息づかいとか、匂いとかを凄く感じる。
「どう、したの?」
なんとなくいつもと違う気がして、優しい声で聞いた。
「お前、ゲストに近づきすぎ。ついでにニヤケすぎ。
いくら可愛いたって、TVなんだし少しは気をつけろよ。
お前のニヤケ顔とか気持ち悪いだけだしさぁ。それに…… 」
なおもブツブツと文句を言う赤西君。
俺は赤西君の不可思議な行動の意味を悟った。
「んっ!!」
黙らせるためにキスをすれば驚いた顔をした赤西君。
まあ、普段は自分からこんな事したりしないからね。
「そんなつもりなかったんだけど、赤西君を不安にさせたみたいだね。ごめん。だけど、俺が大好きなのは、赤西君だけだからね?」
そう言えば、もう一度赤西君の唇にキスをして、肩に顔を埋める。
これが俺の限界。
それが赤西君に伝わったのかな?
優しい抱擁と甘いキス
赤西君の匂いに包まれた。
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