君にはかなわない

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「赤西くん、やっぱりこれ、やりすぎだったんじゃないかなぁ」 そう言って指差した先。 オレンジのつな着を着て腕を組んでる男が二人。 しかも、見つめ合ったりもして。 普通だったら気持ち悪くてしようがない構図なんだろう。 まあ、アイドルなんて普通ではない職業なわけで、こういうのを見て喜ぶ人もいるんだけどね。 今日は久しぶりに仕事がない。 コンサートがあったり、冠番組がロケ中心になったりで、忙しかったんだよね。 だから、今日はのんびり過ごそうと決めて、録画したままで見ないでいたビデオ達を見ていたんだ。 そしたらあの場面を見つけたわけ。 あのときは、たまにならファンサービスになるしいいかな、と思ったんだ。 普段の生活では到底出来ないけど、TVの中なら許されるから。 たまには、イチャイチャしたいからさ。 だけど、実際は全然大丈夫じゃなさそう。 まあ、これもいきなり人のうちにやってきて、まるで自分のうちであるかのように寛いでるあの人のせいなんだけどね。 今も、迷うことなく道具をだしてコーヒーを煎れたりして、俺が言った事も聞こえてるのかわからない。
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