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「だいたいさぁ、赤西くんがスタジオでずっと俺の事見つめたりしてるから悪いんだよ。話してるところも撮られちゃってるしさ。俺と赤西くんは、そんなに仲が良いってわけじゃないことになってるんだから。…ねぇ、聞いてる?赤西くっ、ん!!」
反応がないことに、また話しを聞いてないんだろうな、なんて呆れながら振り向けば目の前には赤西くんの顔。
そして、俺の唇には赤西くんの指。
「二人の時は¨赤西くん¨じゃなくて¨仁¨だろ」
少し怒っているのだろうか、ちょっとぶっきらぼうな声でそう言う。
息がかかりそうなぐらいに近い位置。
反則だよ。
きっと今、俺の顔は真っ赤なんだろうな。
顔が熱い。
いっぱいいっぱいの頭で、何かいう事も出来なくて、これ以上顔を見られているもの恥ずかしくて、コクっと頷くとそのまま俯いた。
「よし。よくできました」
くしゃくしゃと、子供を誉めるように頭を撫でられる。
凄く優しい声に顔を上げれば、凄く嬉しそうな笑顔。
また顔が熱くなる。
「子供じゃないんだから!それに、話し逸らさないでよ」
なんか自分だけドキドキしてる気がして悔しいから、ちょっと抵抗してみる。
まぁそんなの彼にとってはなんでもない事なんだろう。
あぁ今日も君にはかなわない。
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