友達さえも君に見えてくる

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「赤西くんが足りない」 毎日のように呟いている言葉。 彼がいなくなってから、毎日のように。 赤西くんがロスに旅立ったのは3ヵ月ぐらい前のこと。 行きたいと言われた時、最初は凄く反対をした。 まだ、デビューして半年経つかたたないかで一番重要な時期に、留学なんて全く理解ができなかった。 それに、俺を、恋人である俺を残してまでしたい事って何って思った。 だから、俺はその程度の存在なんだって責めたりもした。 悲しくて、寂しかったんだ。 だけど、最終的に赤西くんは自分の気持ちは曲げなかった。 何度も話し合い、喧嘩するうちに俺も納得出来るようになった。 半分くらいは諦めの気持ちもあったけど。 赤西くんは自分の考えを曲げない人だからね。 赤西くんはメンバーに話す前に俺に話してくれたから、覚悟を決める時間はかなりあった。 そして、しっかりと覚悟は決めたつもりでいた。 揺るがないぐらいしっかりと。 なのに、今はこんな有り様。 こんな姿、赤西くんには絶対見せられないな。 俺は大丈夫だから、なんて言って送り出したのに、こんな弱音はいてるんだもんね。 情けない。              
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