友達さえも君に見えてくる

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雑誌の撮影現場。 暇のあまりくだらない事をツラツラと考えてはため息を繰り返していた。 「田口!次、お前の撮影の番!」 後ろから、亀梨君の呼ぶ声が聞こえて、気分を上げるようにパンパンっと頬を叩き、立ち上がり振り向いた。 そこには、待ち焦がれた人の後ろ姿。 「…あか、にし…く、ん?」 恐る恐る、小さな声で呼ぶ。 反応はない。 聞こえなかったのだろうと、もう少し大きな声で呼ぼうと思ったところで、違和感を感じて一端やめる。 …なんか、小さい…? 赤西君は僕より身長は低いけど、こんなに身長が低かっただろうか。 それに、こんなに華奢だった? ふい、目の前の彼が振り向いた。 「田口、なにボケーッと立ってるんだよ!さっさと、撮影に行ってこい。スタッフ待ってるぞ」 目の前の彼はそう言って、ソファーに体をあずける。 俺はと言えば、あり得ない勘違いに、恥ずかしくてそそくさと楽屋を出て撮影へと向かった。 亀梨君と赤西君を後ろ姿とは言え間違えるなんて……。 ねぇ、赤西君。 俺はもう限界みたいだよ。  ( 早く帰ってきて )           
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