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「田口!」
冠番組の収録が終わって楽屋に戻り、帰る準備をしてると後ろからそう呼ばれた。
振り向けば、片手に鞄、もう片方の手に俺のジャケットを持った赤西君。
「帰るから早くしろよ」
そう急かされて、慌てて荷物を鞄に突っ込み、すでにドアの前に立っている赤西君を追いかけるように小走りに向かう。
「んじゃ、お疲れ~」
「みんな、お疲れ様」
後ろ手で手を振ってさっさと出て言ってしまう赤西君。
俺も一度中の方を見て挨拶をすればすぐに赤西君を追いかける。
「あっ、赤西君!ちょっと、待ってッ」
小走りに追いかけながらそう声をかける。
赤西君は、俺の声に立ち止まってくれてこっちを向いてくれたけど、どこか不機嫌そうで、早くしろよと目が言っている。
なんとか追いつくと、赤西君は手に持っていた俺のジャケットを肩にかけてくれた。
ちょっと嬉しかったんだけど、その後すぐ歩き始めてしまった。
なんか、今日赤西君不機嫌だなぁ。
収録が始まる前は普通だったのに……。
俺、なんかした、かな?
そんな事を考えながらも、歩く足は止まらない。
だって今日の赤西君だったら確実においていかれるもん
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