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街が夕やけで赤く染まっていた。街の少し離れた場所にそれほど広くないが墓が列を作ってならんでいる。お盆の頃になると人盛りがあるがそれ以外はあまり人はいない。
そこにハヤトは3本の花を束ねた花束を持ってきて、一つの墓の前に立った。そこはミツルの先祖の墓だった。花束を置き、少し黙祷したあと呟きだした。
ハヤト「やぁミツル、今日は学校の卒業式だったよ。ねぇ聞いてよ。俺部活の成果でサッカーで有名な大学に行くんだぜ。」
そうハヤトはサッカー部の部長を務めて、全国大会までチームを束ねていた。その成果として大学からスカウトされ、今後の大学生活は決まっていた。
ハヤト「君がいなくなった時からミツルの分まで頑張ろうって決めてたんだ。だからここまで来れたんだ感謝するよ。・・・じゃ今度は大学の入学式の日にくるね。」とアパートに戻ろうとした時。
?「・・・助けて」
ハヤト「!」
?「助けて・・早くしないと世界が崩壊してしまう」
ハヤト「まただ。朝の時にかけてきた声だ。・・・誰だよ!!」ハヤトは大きく叫んだ。
ハヤト「・・ミツルだな。ミツルなんだよな?そうだろ。」
?「・・・」
ハヤト「そうだろ。だったら出てこいよ。俺の頭の中で話かけんなよ!!」とハヤトが頭を掲げながら地に膝をあてて屈んだ。そのとき異様な感じをし、頭を上げると目の前がどんどん白くなっていった。
ハヤト「・・・っ!」
ハヤトは驚きで何も語ることもなく・・・・・・・
ハヤトがいた場所にはなにもなくった。あるのは墓に供えた花束だけだった。
その夜あるアパートに1人の男性を掲げながら階段を登っていた。男「うぃ~」男は完全に酔っていた。
兄「ったくそんなに飲むなよなぁ」男を掲げていたのはハヤトの兄だった。
男「へっなんだよ。お前今日の合コンでいい女とうまくいったんじゃねぇかよ」
兄「お前の好みがいなくてガンガン飲むなよな」
男「うるせぇ~この☆〇£#&」
兄「はいはい」部屋に着き、男を床に置いた。
兄「今水やるから待ってろ」と台所にいった。
男「あんがと。・・・あれっお前以外にだれか住んでるのか?」と辺りをみながら聞いた。
兄「バカ言え。俺はあんな親から離れて今はここで一人で住んでるよ」
男「そうだよな。でも・・なんかこないだまで誰か住んでいた雰囲気があるが」
兄「おいおい、怖いこというなよ」
適当に答え、水をくんでいた時
兄「がんばれよ、ハヤト・・」
自分しか聞こえない量で月に向かってぼやいた
第1章へ
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