「にじり寄る、追い詰める」

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「…もう遅いわ。早く寝なさい。それとも、」 一緒に寝る? 悪戯っぽく目を細めて言うお芋姉様に、また一瞬思考が止まってしまう 「…ぁ、」 「冗談よ」 おやすみなさい ひらりと手を振りながら去って行くお芋姉様の背中を見詰めながら、私は一体何を言えただろう 真白い背中が完全に闇に溶けてから、初めて自分の顔が火照っているのに気が付いた 「…狡いわ。お姉様」 調度広間から出てきた山菜に八つ当たりながら、もう一度お芋姉様の消えた暗闇を見遣る 辺りにはまだ、香水と酒の匂いが漂っていた
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