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ハードメモリーグローブはまあ、見た目はライダーグローブの手の甲部分に収まる機械がついているだけで、何にも変わらない。ただ、使う時は必ず着けるようだ。
…どうやら、形がかわっているだけでなんて事はない普通のパソコンのようだ。しいて言うなら、ヘッドセットのくせにマイクが見つからない事ぐらいか。
「目が悪くなりそうだなぁ」
ベッドセットモニターを眺めながら、思わずつぶやく。顔からモニターまで三センチしか離れていない。…ストロボ演出の画面には極力気をつけないとな。
早速自分の部屋に元々あったパソコンからデータをコピーしておこう。
バージョンが古いから、あらゆるソフトが更新できずじまいだったが、これで買い物やチャットに時間をかけなくてすむと思うと、さらにゲームのフリーズに泣かなくてすむと…もう嬉しくて仕方ない。コピーやデータのインストールで三十分もかかったが、遊び場が広がるなら問題ない。
「んじゃ、いきますか」
机にセットした新しいキーボードを前に、ベッドセットを頭にかけモニターを見る。
「あっ、すげぇ手元のキーボードが見える」
サングラスみたいと言えばなんとなくわかるだろうか。外から見ると黒いが中からはきちんと見える。これならキーボードの打ち間違いとかで、モニターを上に上げてなんて事はしなくてすむ。
少しベッドセットのコードが邪魔だが、問題なく使えそうだ。
「さてと、ちょっと見てみるかな」
ワクワクしながら、パソコンの電源を入れた。
『Welcome to *****』
「あれ?最後だけなんで読めな…」
その時だ。
グラッと目眩がした。いや、身体は何でもないのに急にふわりと浮いた感覚がしたと思えば、グルグルと回転させられてる感覚になる。
「うわっ、なんだ…これ…」
パソコンに酔うなんて事があるなら、こういう感じ何だろうか?いや、なしだ。実際に身体は浮いていないし、椅子だって回るやつじゃない。
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