僕しか知らない涙

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「・・・ったく、人使い荒いよなぁ・・・」 そういって森の奥へと足りなくなった木の実を取りに行っているリキッドは、前方からやってきている影を見つけた。 「・・・アラシヤマ・・・?」 「リキッド・・・はん・・・」 その影―アラシヤマ―どこか顔色が悪そうだった。 「久しぶり...っても三日ぶりか」 アラシヤマはここのところずっとパプワハウスに訪れてなかった。リキッドはそれが不思議でなかったのだ 「へぇ、そうですなぁ。ほんま久しぶりどす。シンタローさん、元気にしたはりますやろか?」 「あ、あぁ。シンタローさんなら、これでもかって言うほどぴんぴんしてるぜ。」 微笑みながら「そらよかった」と言っているアラシヤマをみるとリキッドは何故か心に刺さるものを感じた。 「あー。そういや俺シンタローさんに頼まれて、森に木の実とりに行くんだけど、アラシヤマも行くか?」 「ええんどすか?」 「おう!行こうぜ。」 「せやったら、遠慮なく。」 そういって、二人は森の奥へと脚を進めていった。
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