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???「あーあ、暇だなぁ」
ある天気の良い日に、茸村ではある若者が暇を持て余していた。
村長「くぉーら!!!なぁにしとるんじゃ『シイタケ』!!!仕事をせんか!!」
若者の名は『シイタケ』
この村1番のめんどくさがり屋…。だが、彼には人一倍…いや…茸一倍に大きい夢がある。
それは…
シイタケ「…うっせーな!仕事したからって俺の夢が叶うって訳じゃねーだろ!?」
村長「なにおう!?貴様まだ『人間になる』などとくだらん夢を持っとる訳じゃあるまいな!!?」
…そう、彼の夢とは『茸から人間になる』という、かなり大きな夢である。
村長「ばっかもーん!!!!」
村長のでかい怒鳴り声に、シイタケは軽くため息をついた
シイタケ「…なんで?」
少し呆れ気味に聞いた。
村長「よいか?我々茸一族は、人間様に食べてもらえるように日々努力して努力して…努力した者だけが人間様においしーく、食べられるのじゃ!!!」
わかったか!?とでもいいたげに、村長は鼻を鳴らした
シイタケ「………ハァー……つまりお前は努力をしなかったからその人間様とやらに八十年も食べられなかったと…?」
村長「・・・・。」
シイタケ「そんなシワシワになるまで…?」
村長「・・・・。」
シイタケ「…かわいそうに…。冷蔵庫の中に一本だけ残った使い道のない茸…。」
村長「…うるさいうるさいうるさーい!!!!いいから仕事をしろー!!!!」
シイタケ「やっかましー!!!!!口の上にカビ生やしてんじゃねー!!!」
村長「これは髭じゃー!!」
シイタケ「んなこたぁ、どーでもいい!!それより俺は絶対人間になって、茸を喰ってやるんだ!!!」
仲間を食べるという事に、なんの躊躇いもないシイタケ。
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