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ココ
「“ルクシオール”及び“デパートシップ”周辺にドライブアウト反応多数確認!」
亜空間から次々と周辺に艦隊がドライブアウトしてくる。数は多く、その艦はどれも武装艦であり民間機などではない。皇国軍でもないし、“マジーク”や“セルダール”所属のどれにも属さないことが軍によく馴染みのあるタクトからすれば一目瞭然だ。
アスカ
《タクトさん!》
“デパートシップ”のアスカから通信が入り、タクトはすぐさま指示を飛ばす。
タクト
「“エンジェル隊”各員は紋章機にて出撃。あちらが手をだすまで攻撃はせずに待機」
アスカ
《あの、俺も……!》
タクト
「君は“ナイトウィング”と一緒に“デパートシップ”で待機だ。……いいね?」
念押しするように言われたアスカは渋々了解し、通信をきった。
グラール
「……見つけたぞ、皇国の英雄……タクト・マイヤーズ!」
自らの艦隊、“ハイベル艦隊”を率いてドライブアウトしてきたのはひげと褐色の肌のよく似合うがたいの大きな男、グラール・ハイベル。軍服の左胸元に輝く数多の勲章は、彼の司令官としての実力を表している。
「艦長、敵母艦より熱源反応確認。例の紋章機だと思われます」
グラール
「うむ……閣下から指示のあった“翼”はどうだ」
「どれも違います。ですが、隣接している民間機からは微弱ですがイエローが出ています」
大型モニターにマップが表示され、二つの青い光のうち左片方が立体表示としてきりかえられる。
グラール
「かの機体はあの艦の中か……」
そしてしばらく考えたのち、グラールは各艦に指示を伝える。
グラール
「我が艦隊はこれより戦闘を開始する。目標は敵母艦に隣接している民間機とし、攻撃を開始!」
ココ
「敵艦隊進軍開始。目標……“デパートシップ”のようです!」
やはり、狙いは“ナイトウィング”か………
タクト
「“エンジェル隊”攻撃開始!なんとしてでも“デパートシップ”が逃げる時間を稼ぐぞ」
エンジェル隊
《了解っ!》
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