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人数不足………歴代の“エンジェル隊”にならうなら、紋章機とそのパイロットが五人と五機。そう考えたら、まだ四機の紋章機と適格者がいるということだ。
アスカ
(……あと四人……いったいどんな人なんだろ………)
フォルテ
「さ、まもなく到着だ」
シャトルから伸びたタラップを伝い、アスカは“ルクシオール”の格納庫へと降り立った。ガランとしてどこまでも続いていくような広い格納庫は、全部で三つある。一つは“ルーン”専用。もう一つは“ムーン”。そして、彼の乗る“ナイトウィング”の専用カタパルトだ。三世代とも形状が異なるため、このような改造が施されているのだ。そのため、従来の姿よりも下部が少々大きくなっている。
カズヤ
「君が、アスカ・ティラミス少尉?」
声をかけてきた少年は、見るからに自分とほぼ同年代だ。
カズヤ
「僕はカズヤ・シラナミ。一応“ルーンエンジェル隊”隊長です。よろしく」
握手を求められ、アスカは反射的に差し出された手を握り返す。
アスカ
「アスカ・ティラミスです。よろしくお願いします……」
内心どんな人なのかとビクビクしていたが、カズヤの物腰の軟らかさに和み、二人は握手をかわした。フォルテ
「この艦にはまだあと五人の隊員が乗っている。カズヤ、あたしはまだやらなきゃならないことがあるから、後のことは頼んだよ」
そう言って、フォルテはシャトルへと戻っていった。
カズヤ
「さ、艦内を案内しますので、こちらへ」
カズヤがアスカを誘導し、格納庫を出る。
カズヤ
「まず始めにティーラウンジ。ここは、みんながくつろいだりする場所だよ」
簡単に説明を受け、次は食堂へと向かった。
カズヤ
「ここが食堂。食事はだいたいここかな」
食堂全体をぐるっと見渡す。スペースは割と広く、中央の空きスペースには立派なピアノが堂々とした存在感を放っていた。
アスカ
「………」
カズヤ
「実はあのピアノ、一度も使われたことがないんだ」
アスカ
「……あの、弾いてもいいかな?」
カズヤ
「別にいいけど……」
椅子に座り、鍵盤のふたを開ける。これだけの些細な動作なのに、何故か神聖なものがあたりを包んでいた。
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